この記事では、姿勢を保つときに使われる筋肉と、姿勢が崩れる原因、自宅の床の上で行える5つの筋トレのやり方をまとめました。
骨盤まわりの筋肉の使い方、続けるときのポイント、フォームの確認がむずかしいときの選択肢にも触れています。
1. 姿勢改善にはどの筋肉を鍛える?
姿勢を保つ筋肉は、お腹・背中・お尻をはじめ、体のあちこちにあります。
ここでは、体幹を中心に、どの筋肉がどんな場面で使われているのかを整理していきますね。
1-1. 姿勢を保つときに使われる体幹の筋肉

体幹とは、腕と脚を除いた胴体の部分のことです。
体幹には、おなか側・背中側・わき腹側に筋肉があり、立つときも座るときも、胴体を起こしておくために使われています。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、重力に逆らって立った姿勢を保つ筋肉として、お尻の大臀筋や、上体を支える腹筋群・背筋群などを紹介しています。
こうした筋肉は「抗重力筋」や「姿勢維持筋」という名前でも呼ばれます。
体幹の主な筋肉を、位置とはたらきでまとめました。
| 筋肉 | 位置 | 姿勢での使われ方 |
|---|---|---|
| 腹直筋 | おなかの表面を縦に走る | 上体を前に倒す、体を丸める動きで働く |
| 腹横筋 | おなかの奥にある | おなかを引き込むときに働く |
| 脊柱起立筋 | 背骨に沿った背中側 | 背すじを起こす動きで働く |
| 多裂筋 | 背骨のすぐそばの奥 | 背骨を細かく動かすときに働く |
おなかの奥の腹横筋は、体の深い部分にあるため、「インナーマッスル」とも呼ばれます。
腹横筋は、息を吐きながらおなかを引き込む動きで意識しやすくなります。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「QOLの維持・向上に大切な筋肉は?」
1-2. お腹・背中・お尻の筋肉と姿勢の関係
お腹・背中・お尻の筋肉は、弱まって力を入れにくくなると、姿勢に次のような傾向が出やすいとされています。
| 部位 | 主な筋肉 | 力を入れにくくなったときの傾向 |
|---|---|---|
| おなか | 腹直筋・腹横筋 | 腰が反りやすくなる、おなかが前に出やすくなる |
| 背中 | 脊柱起立筋・広背筋・肩甲骨まわりの筋肉 | 背中が丸まりやすくなり、頭が前に出やすくなる |
| お尻 | 大臀筋・中臀筋 | 立つときや歩くときに骨盤が安定しにくくなる |
筋肉が弱まると力を入れにくくなり、姿勢が崩れやすくなります。
特に、デスクワークの多い方は、背中とお尻の筋肉を使う機会が少なくなりがちです。
ただし、背中が丸まっているからといって、背中だけを鍛えればよいわけではありません。
お腹・背中・お尻は、立つ、座る、歩くといった動きのなかで同時に働くため、3つの部位をまとめて鍛えると、体全体のバランスをとりやすいでしょう。
猫背で肩が前に出ている方は、胸の前にある大胸筋がこわばり、筋肉の柔軟性が下がっていることもあります。
その場合は、背中の筋トレに加えて、胸まわりを伸ばすストレッチを組み合わせる方法もあるでしょう。
ストレッチの具体的なやり方は、別の記事で詳しく解説しています。
1-3. 骨盤まわりの筋肉も姿勢に関係する
骨盤は、上半身と脚をつなぐ位置にあります。
骨盤の向きは、姿勢を保つうえで重要な要素のひとつです。
骨盤の向きが変わると、背骨の曲がり方や脚の使い方も変わりやすくなるため、骨盤まわりの筋肉も姿勢に関わっています。
姿勢との関わりが深い筋肉は、次の4つです。
腹筋群:おなかの前側から骨盤にかけて付いている筋肉
大臀筋・中臀筋:お尻の大きな筋肉と、お尻の横にある筋肉
腸腰筋:背骨や骨盤の内側から、太ももの付け根の前側につながる筋肉
ハムストリングス:太ももの裏側にある筋肉
骨盤まわりの筋肉の位置とはたらきは、別の記事で部位ごとに解説しています。
2. 姿勢が崩れる原因|日常の過ごし方と筋力の変化

姿勢の崩れは、猫背のように見た目で気づくこともあれば、肩こりや腰の重さとして感じることもあります。
日常の過ごし方と筋力の変化という2つの面から、原因について話していきますね。
2-1. 姿勢の崩れには複数の原因が関わる
姿勢の崩れには、ひとつの原因だけではなく、複数の要因が重なって関わります。
日常で思い当たりやすい要因を、例とあわせて並べました。
| 要因 | 日常での例 |
|---|---|
| 座る時間の長さ | 通勤や仕事で、座ったままの時間が長い |
| 画面を見る姿勢 | スマホやパソコンを、うつむいた姿勢で見る |
| 体の使い方の癖 | 足を組む、片側の肩にばかり荷物をかける、片脚に体重をのせて立つ |
| 運動量の減少 | 運動不足の状態が続き、歩く機会や体を動かす機会が少ない |
| 筋肉や関節の硬さ | 胸の前や股関節まわりの柔軟性が下がり、動かしにくい |
どの要因が大きく関わっているかは、人によって違います。
同じ猫背に見える方でも、座る時間が長い方もいれば、運動量が減っている方もいるでしょう。
姿勢は、骨格だけで決まるものではなく、日々の体の使い方や筋肉の状態からも変わっていくと考えられています。
骨格を矯正する方法だけでなく、筋肉を使う習慣を見直す方法もあります。
当てはまる要因を見つけておくと、日常で見直す場面を選びやすくなりますよ。
2-2. 長時間のデスクワークやスマホで姿勢が崩れやすい理由
デスクワークやスマホの操作では、画面をのぞき込むように、頭が前に出た姿勢になりがちです。
頭が前に出ると、首や肩の後ろの筋肉が、頭を起こしておくために働き続けて、影響が出ることもあります。
胸の前は縮こまり、背中は丸まりやすくなるため、肩こりや首の張りを感じる方もいるでしょう。
座り方も、姿勢に関わる要素のひとつです。
椅子に浅く腰かけて、背もたれにもたれかかる
骨盤が後ろに倒れた状態で、長時間座る
足を組んだまま、同じ向きで作業を続ける
こうした座り方が続くと、腰の重さや腰痛が気になることもあるでしょう。
画面の高さを見直し、ときどき立ち上がって体を動かすのも、対策のひとつです。
2-3. 全身の筋力が落ちると姿勢を保ちにくくなる
筋肉は、使う機会が減ると、少しずつ量が減り、筋力が低下して力を入れにくくなります。
歩く機会や階段を使う機会が減ると、お腹や背中、お尻、脚といった全身の筋肉に力を入れる機会も減っていくでしょう。
年齢を重ねることでも、筋肉の量は減りやすく、衰えを感じやすくなるため、若い頃と同じ生活でも、体を起こしておく力が入りにくくなる方もいるようです。
全身の筋力が落ちると、立っているだけ、座っているだけでも疲れやすくなるものです。
疲れてくると、背中を丸めたり、壁や背もたれに寄りかかったりと、楽な姿勢をとりやすくなるでしょう。
悪い姿勢が日常になると、姿勢を保つ筋肉を使う機会はさらに減っていきますね。
体を動かす習慣を持つことが、姿勢を保つ筋肉を使う機会を増やすきっかけになります。
3. 姿勢改善におすすめの筋トレ

姿勢を保つ筋肉を強化していくために、運動に慣れていない方でも取り組みやすい、器具を使用せずに行える5つの種目を選びました。
床の上で行う動きが中心なので、ヨガマットや厚手のタオルがあると、ひざや背中が痛くなりにくいですよ。
3-1. ドローイン|お腹まわりを意識する
ドローインは、息を吐きながらおなかを引き込む運動です。
おなかの奥にある筋肉を意識しやすいため、筋トレに慣れていない方の基本の種目として取り組めます。
あお向けになり、ひざを立てて、足の裏を床につけます。
鼻から息を吸い、おなかをふくらませます。
口から息を細く長く吐きながら、おへそを背骨に近づけるようにして、おなかをへこませます。
へこませた状態を、息を止めずに数秒キープします。
息を吸いながら、力をゆるめます。
これを10回繰り返す動きを、1セットの目安にしてください。
腰を床に強く押しつけたり、胸や肩に力が入ったりしないように気をつけてください。
理学療法科学に掲載された研究では、若年の健康な17名がドローインを行いました。
その結果、わき腹にある内腹斜筋の筋肉の厚みが増え、運動のあとに片脚で立ったときの安定性を示す指標が良くなったと報告されています。
この研究は、運動の直後の一時的な変化を調べたもので、続けた結果を示したものではありません。
対象も若年の健康な方に限られています。
出典:永井良治・中村将都「ドローインによる側腹筋群の筋厚変化と立位・歩行時の安定性についての検討」理学療法科学 35巻1号(2020)
3-2. クラムシェル|お尻の筋肉を鍛える
クラムシェルは、横向きに寝て、ひざを貝殻のように開く運動です。
お尻の横にある中臀筋を中心に使う、骨盤の安定に関わる筋肉を意識しやすい種目です。
横向きに寝て、頭の下に腕をおきます。
ひざを90度ほど曲げて、両足をそろえて重ねます。
かかとをつけたまま、息を吐きながら、上側のひざをゆっくり開きます。
開いたところで1〜2秒止めて、息を吸いながらゆっくり閉じます。
10回行ったら、反対側も同じ回数行います。
ひざを開くときに、骨盤ごと後ろへ倒れないようにしてください。
ひざを開く幅は小さくてかまいません。
お尻の横よりも、腰や太ももの前に力が入るときは、開く幅をさらに小さくして、動きを確かめながら行いましょう。
3-3. ヒップヒンジ|股関節を使う動きを身につける
ヒップヒンジは、背すじをのばしたまま、股関節から上体を折りたたむ動きです。
物を拾う動作や、立ち上がる動作にも使われるため、お尻と太ももの裏の筋肉を効率よく使う感覚をつかみやすい動きです。
壁を使うと、お尻を引く位置が分かりやすいでしょう。
壁に背を向けて、足を腰幅に開き、壁から30cmほど離れて、つま先をまっすぐ前に向けて立ちます。
ひざを軽くゆるめて、両手を脚の付け根に添えます。
背すじをのばしたまま、お尻を後ろに引いて、上体を前に倒します。
お尻が壁に軽く触れたら、床を踏みしめて、立った姿勢に戻します。
10回繰り返します。
脚の付け根に添えた手で、折れ曲がる場所が背中ではなく股関節になっているかを確かめてください。
背中が丸くなったり、腰を反らせすぎたりするときは、上体を倒す深さを浅くしましょう。
3-4. 膝つきサイドプランク|体幹を鍛える
膝つきサイドプランクは、横向きの姿勢で、ひざと肘で体を支える運動です。
わき腹の筋肉と、お尻の横の筋肉を使い、体を横から見たときの一直線をキープする力を使う種目です。
横向きに寝て、下側の肘を肩の真下につき、ひざを90度ほど曲げます。
息を吐きながら、お尻を床から持ち上げます。
頭からひざまでが一直線になる位置で、20秒ほどキープします。
ゆっくり下ろして、反対側も同じように行います。
左右それぞれ2回を目安にしてください。
お尻が後ろに引けたり、腰が落ちたりすると、わき腹に力が入りにくくなります。
肩に痛みや違和感が出るときは、持ち上げる高さを低くするか、その日は行わずに休みましょう。
3-5. バードドッグ|体幹を安定させる
バードドッグは、四つん這いの姿勢から、片腕と反対側の脚を伸ばす運動です。
体が左右に揺れないように保つため、おなか・背中・お尻の筋肉を同時に使う種目です。
四つん這いになり、手を肩の真下、ひざを脚の付け根の真下に置きます。
背中を平らにして、おなかに軽く力を入れます。
息を吐きながら、右腕と左脚をゆっくり伸ばします。
腕も脚も、床と平行になる高さまで伸ばして、2〜3秒キープします。
息を吸いながら戻し、左腕と右脚も同じように行います。
左右交互に、合わせて10回行います。
動かす範囲は、床と平行になるところまでです。
脚を高く上げすぎると、腰が反りやすくなります。
腕や脚を伸ばしたときに、骨盤が傾いたり、体が横に揺れたりしないかを確かめてください。
むずかしいときは、片脚だけ、または片腕だけを伸ばす練習から始めましょう。
手首やひざに痛みが出るときは、マットを厚くするなど、姿勢を見直してください。
4. 骨盤まわりの筋肉の使い方と姿勢
骨盤は、お腹・お尻・太ももの筋肉が集まる位置にあり、筋肉の使われ方が姿勢に出やすい場所です。
筋肉の使われ方と骨盤の向き、日常の動きでの現れ方、骨盤の動きを確かめる方法を順に見ていきましょう。
4-1. 骨盤の傾きに関わる筋肉の使われ方
骨盤の上側が前に倒れる状態を前傾、後ろに倒れる状態を後傾と呼びます。
骨盤の向きは、お腹とお尻の筋肉、太ももの前後の筋肉が、引き合うことで、傾きが決まるとされています。
筋肉の使われ方と骨盤の向きの傾向を、次の表にまとめました。
| 骨盤の向き | 使われやすい筋肉 | 力を入れにくい筋肉 |
|---|---|---|
| 前傾しやすい | 腰の筋肉、太ももの付け根の前側 | おなかの筋肉、お尻の筋肉 |
| 後傾しやすい | 太ももの裏側 | 太ももの付け根の前側 |
あくまで傾向であり、筋肉の硬さや日々の体の使い方によって、人それぞれに違いがあります。
骨盤の向きは、服の上からは見分けにくいため、気になるときはトレーナーや医療の専門家に確認してもらうとよいでしょう。
4-2. 筋肉の使い方の偏りが姿勢に出るしくみ
筋肉には、使いやすい筋肉と、使いにくい筋肉があります。
力を入れにくい筋肉があると、体は、使いやすい筋肉で代わりに動こうとするものです。
日常の動きに出やすい偏りを、場面ごとに並べました。
立つとき:お尻に力が入りにくいと、腰を反らして立ち、太ももの前で体を保つ
座るとき:おなかに力が入りにくいと、背もたれにもたれて、骨盤が後ろに倒れる
歩くとき:片側のお尻を使いにくいと、片脚に体重をのせるクセが出る
使いやすい筋肉に頼る動き方が続くと、その動き方が習慣になります。
すると、力を入れにくい筋肉は、ますます使われる機会が減っていくのです。
ドローインやクラムシェルのような種目は、使われにくい筋肉に力を入れる感覚を、確かめる機会になるでしょう。
4-3. 骨盤時計で骨盤の動きを確認する

骨盤時計は、骨盤を時計の文字盤に見立てて、傾ける方向を確かめる動きです。
ピラティスなどで使われる動きで、筋トレではなく、骨盤がどの方向に動かしやすいかを確かめる目的で行うものです。
あお向けになり、ひざを立て、足を腰幅に開きます。
おへそ側を12時、脚の付け根の中央側を6時、左右の腰骨側を3時と9時として、骨盤の上に時計があるとイメージします。
息を吐きながら、骨盤を12時の方向(腰が床に近づく方向)へ小さく傾けます。
息を吸いながら戻し、今度は6時の方向(腰と床のすき間が広がる方向)へ傾けます。
同じように、3時と9時の方向へ傾けます。
各方向を、ゆっくり5回ずつ行います。
動かしやすい方向と、動かしにくい方向を、感覚で確かめてみてください。
左右で動きに差があるときも、無理に動かさずに、その差を覚えておく程度にとどめましょう。
痛みが出るときは、動きを止めてください。
5. 姿勢改善の筋トレを続けるときのポイント

筋トレは、1回の内容だけでなく、続け方によって体の感じ方に差が出るものです。
息の使い方、頻度、1週間の進め方、痛みが出たときの対応について、順に見ていきます。
5-1. 息を止めずに行う
力を入れる場面では、無意識に息を止めてしまいがちです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、血圧の急激な上昇を抑えるために、息を止めないよう注意することが示されています。
種目ごとに、息を吐くタイミングを決めておくと、息が止まりにくくなります。
| 種目 | 息を吐くタイミング |
|---|---|
| ドローイン | おなかをへこませるとき |
| クラムシェル | ひざを開くとき |
| ヒップヒンジ | 立った姿勢に戻るとき |
| 膝つきサイドプランク | お尻を持ち上げるとき(キープ中は自然に呼吸する) |
| バードドッグ | 腕と脚を伸ばすとき |
呼吸を意識するのが難しい場合は、回数を声に出して数える方法もありますよ。
5-2. 無理のない頻度で続ける
厚生労働省のe-ヘルスネットは、成人と高齢者に対して、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。
自分の体重を負荷にする自重トレーニングの例として、腕立て伏せやスクワットが挙げられています。
ドローインやクラムシェルといった種目も、自分の体重を使って行う動きです。
同じe-ヘルスネットでは、休息日をしっかり設けることを意識するよう示されています。
トレーニングのあとの休息日に、筋肉は回復するとされているため、毎日続けるよりも、休みをはさんだほうが疲れを持ち越しにくくなります。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動ガイド2023 情報シート:筋力トレーニングについて」
5-3. 1週間のトレーニングの進め方
週2〜3日の範囲で、休息日を間にはさむ1週間のメニューを、次の表で例にしました。
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月・木・土 | 5種目のトレーニング |
| 火 | 休息(ふだんどおり歩く) |
| 水・金・日 | 休息 |
通う予定が不規則な方は、曜日を固定せず、運動する日の間に1日以上の休息日が入るように決めると続けやすくなります。
運動の効果の感じ方には個人差があるため、疲れが残っている日や、体調がすぐれない日は、回数を減らしたり、休んだりしてかまいません。
トレーニングの日は、カレンダーやメモに記録して、継続するためのコツとして見返せるようにしておきましょう。
変化を実感する時期にも個人差があるため、数週間の単位で見てみてください。
5-4. 痛みがあるときは無理をしない
運動中に、以下のような症状が出たときは、すぐに動きを止めてください。
肩、手首、腰、ひざに、鋭い痛みや引っかかる感覚がある
腕や脚にしびれが出る
めまいや息苦しさ、吐き気がある
動かしていないときにも、痛みが続く
運動をやめたあとも、痛みやしびれが続くときは、整形外科などの医療機関に相談してください。
運動の前から、肩や腰、ひざに痛みがある方も、始める前に医師へ相談しておくと、避ける動きを確認できるでしょう。
筋肉痛とは違い、関節や背骨のまわりの痛みは、動かし方や負荷が体に合っていないサインの場合があります。
状態が悪くなるのを防ぐためにも、痛みをがまんして続けるのは避けてください。
痛みが出なかった日でも、翌日に違和感が残るときは、その日の運動を休んで、様子を見ましょう。
6. 正しいフォームで続けたい方へ|加圧トレーニングという選択肢
自宅での筋トレは、自分の動きが正しいかどうか分かりにくいと感じる方もいますよね。
選択肢のひとつとして知っておけるよう、加圧トレーニングの考え方と、取り入れるときの注意点を紹介します。
6-1. 自分ではフォームを確認しにくい理由
自分の背中や骨盤の傾きは、自分の目では見えません。
鏡の前で動いても、正面からは、腰の反りや骨盤の傾きが分かりにくいものです。
自分では「まっすぐ動いている」と思っていても、動画で見ると、肩がすくんでいたり、腰が反っていたりすることがあります。
スマートフォンで横から動画を撮るセルフチェックなら、背中の丸みや腰の反りを見返せます。
ただし、筋肉に力が入っているかどうかや、動かす速さが合っているかは、映像だけでは判断しにくい部分です。
動きを見てもらえる人がいると、自分の癖に気づきやすくなります。
6-2. 加圧トレーニングを取り入れる考え方
腕や脚の付け根に専用のベルトで圧をかけ、手足から戻る血液の量を調整しながら体を動かす運動方法が、加圧トレーニングです。
ベルトを巻く場所は、腕や脚の付け根です。
おなかや骨盤まわりに巻くわけではありません。
ベルトは血液の流れを調整する役割で、どんな動きを行うかは、トレーナーが選びます。
姿勢に関わる筋肉を使う動きを取り入れたいときは、姿勢や動きを見たうえで、お尻やおなかに力を入れる動きを選んでもらえます。
筋トレの経験がある方は、いま行っている運動の内容と頻度を、トレーナーに伝えてください。
6-3. 低い負荷でも筋肉に刺激を与えやすいとされる理由
早稲田大学の研究シーズでは、血流を局所的に制限した状態で筋肉を使うと、低い強度の運動でも筋力の向上につながる可能性が報告されています。
重い負荷を使わなくても、筋肉に刺激を伝えやすいとされているのは、この考え方にもとづいています。
重い器具を扱うことに慣れていない方や、関節に負担をかけたくない方にとって、軽い負荷から始められる選択肢になります。
ただし、この研究は筋力について述べたもので、姿勢そのものが変わると示したものではありません。
出典:早稲田大学 特許・研究シーズ「局所的な血流制限下の筋力(加圧)トレーニング法の開発と応用」
6-4. 運動初心者が取り入れるときのペース
運動に慣れていない方は、体の状態を見ながら、頻度や動きの種類を調整していきましょう。
運動の頻度は、トレーナーと相談しながら、休息日を含めて決めていくと、疲れをためにくいでしょう。
ベルトの圧は、体格や、腕や脚の太さ、その日の体調によって、合う強さは一人ひとり違います。
運動中にしびれや違和感が出たときは、すぐに動きを止めて、トレーナーに伝えましょう。
次に当てはまる方は、体験を予約する前に、かかりつけの医師へ相談してください。
心臓、血圧、血管に関わる病気で通院している方
糖尿病、てんかん、がんなどで通院や経過観察をしている方
妊娠中の方、産後で医師から運動再開の許可が出ていない方
発熱や強いだるさがある方、手術から間もない方
当てはまる場合でも、それだけで運動できないと決まるわけではありません。
医師の判断をもとに、体の状態に合わせた内容へ調整していくことになります。
ただし、発熱や強いだるさがあるときは、医師に相談するだけでなく、体調が回復するまで運動を控えてください。
7. まとめ|姿勢改善の筋トレは無理なく続けることから始める

姿勢を保つ筋肉は、お腹・背中・お尻をはじめ、骨盤まわりにもあります。
猫背のような姿勢の崩れには、座る時間やスマホの姿勢、運動量の減少、体の使い方の癖など、複数の要因が重なって関わっています。
筋トレでは、ドローイン、クラムシェル、ヒップヒンジ、膝つきサイドプランク、バードドッグを、ゆっくりと息を止めずに行いましょう。
骨盤時計は筋トレではなく、骨盤の動きやすい方向を確かめる動きとして、あわせて行ってみてください。
筋トレは週2〜3日を目安に、休息日をはさんで進めましょう。
痛みやしびれが出たときは、その場で動きを止めて、医療機関に相談してください。
自分のフォームを確認しにくいときは、加圧トレーニングという選択肢もあります。
加圧トレーニングは、ベルトで血流を調整しながら、軽い負荷で体を動かす方法のひとつです。
取り入れる場合は、持病や体調を医師に確認したうえで、認定を受けたトレーナーのもとで圧力を決めてもらいましょう。
骨盤まわりの筋肉や姿勢が気になる方は、KAATSU JAPANの認定トレーナーが一人ひとりに寄り添う『加圧ビューティーテラス』で、体験を受けられます。
トレーナーに動きを見てもらいながら、ご自身の姿勢や骨盤まわりの使い方を確かめる機会として、一度体験してみませんか。
